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今日は市体で、日本代表とオーストラリア国内リーグのチャンピオンであるシドニー・キングスというチームとの試合だ。
日本代表といえば、つい先日行われたキリンカップを全戦観戦に行ったばかり。そしてこの試合は、そのキリンカップが行われる直前に新潟での開催が発表されたのだ。
聞けば当初予定されていた海外遠征が都合で中止になってしまい、急遽代替として組まれた試合らしい。 しかもこの日は、横越でアルビレックス主催のサマーキャンプまで行われている。当然ながらそちらの方も気がかりだ。
『正直、代表チームも食傷気味だしなぁ…ウチの選手がいる訳でもないし』という思いもあったんだけど…とりあえず自分は横越には行かず市体に素直に並ぶことを選択。
まあ何だ。食傷気味とは言ってもそこはやはり代表チームだし、せっかく新潟に来るんだったらちっとは…盛り上げてやらんとね。
10:30前には市体に到着してしまった。予想通り、並んでいる人など誰もいない……当たり前か。今日の対戦相手であるキングスが中で練習しているのあろう。【SYDNEY KINGS】と書かれたプレートの貼られている新潟交通のバスが停まっている。
バスの中を見ると、あれ?運転手の姿がない…中は誰もいないぞ。しめしめ。忍び込んで【SYDNEY】と書かれたプレートを【TONOSAMA】に書き換えてネタ写真を撮ってやろう…と思ったが、さすがにそれを実行に移す勇気は無かった。
それにしても、急遽の開催そして新潟まつりなど他のイベントが重なっている影響だろうか。11:30(開場二時間前)になっても並んでいるのはわずかに五人しかいない。自分、スガさん、セニアさん…あとは学生らしき男性と、年配の女性の二人。それも普段アルビの試合での行列では見ない顔だ。
岐津さんが我々の並んでいるところへ顔を出す。今回はあくまで「開催のお手伝い」とのことで、普段のリーグ戦の時よりもリラックスしている表情に見える。そして少しの間談笑。
先日発表されたリーグ脱退のこと・逆転開催の決まった朱鷺メッセのこと… そうそう、今日の試合の話もね。何でも、今回の代表戦では『新潟県中部7.13水害に対する義援事業』ってことで、【くじ付き募金】ってのをやるらしい… 募金してくれた人に番号札を配って、抽選で五十嵐のサイン入りグッズが当たるんだってさ…
(…ほほう、これをうまく使えば今日の更新ネタに使えるな…)
そんな話をしつつ、時間を潰していく。
ビールを飲みながら『まだまだ時間があるナァ…』などと思っていると、今度は我々のすぐ近くに並んでいた前述の女性から声をかけられる。さっきも書いた通り、少なくとも自分はこれまで試合会場で見た記憶の無い人だ。
『あの……さっき、五十嵐選手とか話してましたよね?五十嵐選手って、どうなんですか…?』
どうなんですか、って聞かれてもね…『イヤ、ホラ彼は新潟県出身の選手で…』
うんうん、と頷く女性。どうやら県内出身の選手だということは知っているようだ。つまりこれは「五十嵐について、どう思うか」という意味の質問なのだろうか。そう解釈して話を続けた。
『んー、女性とかには結構人気あるみたいですけどね…ま、僕はあんまり好きじゃないんですけどね』
この一言に、女性は「え?何で?」といった表情になる。自分の返答が少し意外に感じたのだろうか。
そうは言ったってなー。『だって彼は、アルビからのオファーを断って日立に行った奴だし…』ね。 ま、この辺の感じ方は人それぞれだろうけど…少なくとも自分にとってはさ、あくまで【アルビの選手>>>>>>>>>>>他チームにいる同県人の選手】だしさ。
すると今度は、こう尋ねてきた。
『私、バスケットってよく知らないんですけど…どういうタイプの選手なんですか?その…ポジションとか』
うーん。バスケットを知らないと言う割には、(いつもに比べ人が少ないとは言え)何で四番目に並んでるんだろう。まあいいや。せっかく話しかけてくれるんだから、きちんと返事してあげないとな。それが人の道ってもんだ。
『そうですね、彼はポイントガードってポジションで、オフェンスの時はボール運んで、攻撃の起点というか組み立てをする役割で…』
むむ。いざ口で説明しようとすると結構難しいな…と思っていると少々意外な反応が。
『あ…、私実はサッカーはよく見に行くんですよ…ってことは、サッカーで言うと中盤でボールを落ち着かせるような感じですか?』
中盤でボールを……うーん。ちょっと違うような。アルビのサッカーを見に行くって事は、山口とかをイメージしてるんだろうか。それとも代表の時の中田みたく、ボールを集められるような感じで思っているのかなあ……ま、どちらにせよ「ボールが落ち着く」ってタイプでは無いよな。よし。
『いや、ボールを落ち着かせるって感じじゃないと思いますけどね。彼は。』
やや否定的な回答に、『あら、そうなんですか…』と少々戸惑った様子を見せている。うーん。彼女にとっては期待はずれな回答だったか?とは言ってもそう思っちゃったんだから仕方ないよね。うん仕方ない。
彼女もやや不満に思いながらもとりあえず納得してくれたのだろうか。
『そうですか……いや、色々訊いてしまってすみません。ありがとうございました』
いえいえどう致しまして。このぐらいお安いご用ですよ。それにね、こういう時に色んな人と話をするってのは良いことなんだよね。自分もこんな感じで、試合会場での顔見知りをどんどん増やしていったしさ。
ふー、それにしてもさ、ちょっと喋りすぎたせいかお腹減ってきちゃったよ……あ、そのはずだって。もう12時過ぎてるじゃん。んじゃ、ちょっとコンビニでも行って昼飯買ってこようかな。
コンビニから戻ってくると、やや並んでいる人の数が増えていた。先程自分に質問していた女性のところに、それまではいなかった3〜4人の人達が集まっている。ああそうか。ツレの人達がいたから、その分のために先に並んでいたんだね…ま、それより飯だメシ。
…と、何となく周りの空気が変だ。さっきまでフレンドリーに話していたはずのセニアさん・スガさんから妙に冷たいオーラを感じる……っつーか、心なしか僕から目を逸らしているようなんですが……
すると、スガさんがさっきの女性のところにやって来た3〜4人の人達の方を見て
『ARさん。こちらの人達、圭ちゃんの…………だって。』
えっ何だって?けいちゃんの……何?良く聞こえなかった。……つーか、けいちゃん??そんな名前の奴、ウチらの仲間にいたか?
『……五十嵐圭ちゃんのご家族だそうです。』
か、家族?? 家族ってことは……家族だよね?(何じゃそりゃ)え、ちょっと待って。そしたら、さっきの人は一体…?
すると、先程の女性がさわやかな笑顔で手を振りながらこう言った。
『親戚でーす♪』
いや、親戚ですってアータ…… _| ̄|○
しかも、セニアさん・スガさん揃って『あーあ』とか『ついにやっちゃったよー』とか言ってるし……いや、たまたま聞かれたのが僕というだけで、自分だって聞かれていたら同じ事言ってるでしょセニアさん……
…と思ったがもう遅い。うーーーん。さすがにこの状況は余りにも…余りにも気まずい。さすがの俺でもキツすぎる。
い、いかん。とりあえずここは、何か言っておかないとマズいだろう……よーし。
『いやー、実は僕、以前から圭ちゃんの大ファンでして…』
さっきまでとのギャップが激しかったためだろうか、ドッと笑いが沸く。よしよし、ウケてるウケてる……まあちょっと、というかかなり白々しいような気もするが……
あれ?あんまり白々しすぎたのか目の前が白くなってきたぞ…と思ったら急に汗かきすぎたせいでサングラスが曇ってるよ。いかんいかん。フキフキ。
まあ、ちょっと(ちょっとどころでないだろ…)ハプニングはあったけど、そのおかげで随分フランクにお話しさせて貰ったよ。 それこそ入るチームを選ぶ時の話とか、学生の頃プリングルズとかそんなもんばっか食ってた……とかね。フフフフ。このネタはリーグ戦が始まった時に使えそうだな……プリングルズ、と。よしメモしたぞ。
そうそう。時には韓国(の女性ファン)から実家に電話がかかってくることもあるんだってさ……ちょっとそれもアレだよね。お母さんも嬉しそうに話してるけど大変だよ……ま、ウチみたく債権回収詐欺とか「株やりませんか?」みたいな電話しかかかってこないのよりはマシだけどね。
それにしてもさ、自分もこれまで試合会場で色んな人と話したけど、さすがにこういう展開は初めてだよ。
とりあえず、今度入場待ちで『節○ってどうなんですか?』とか聞かれたら軽〜くスルーするようにしとこう……だって、『ハァ?○政?萬代橋から吊してやりますよ』とか言っちゃったら後々大変そうだからね……
あ、もう一つあった。この間のキリンカップ、ご家族全員で観戦に行っていたらしいんだけど代々木では国家吹奏の時ウチらの拡げたデカ日の丸の下に入っていたんだってさ。つまり、ウチらと同じブロックで観戦されてたって事だ。お祖父さんも『下から、こう、(旗を)つついていたよ』と嬉しそうに仰ってくれたよ…いやー、良かったなあ。
もっとも、代々木の時は試合途中でとうみんさんにバカ受けしていたネタとか、MVP発表の時にもちょっと……あったんだけどね……ま、いっか。ふー。